くるま


「やっぱり男の子だね。」
cacaoは車が大好きな男の子へ成長していた。
「すき」と宣伝するだけで、家には車のおもちゃが集まってくる。
お友達がくれたものや、私の弟が使っていたもの。
色がはげていたり、タイヤがすぐ外れたりするけれど。
愛されてきたことが伝わってくる暖かい車たち。
シズも、一生懸命愛してあげてね。

cacaoの車遊びは、ちょっと違う。
走らせるというより、見比べている。
たくさんの車を並べ、一台一台注意深く見入っている。
その集中力。
うっかり話しかけられない。

その姿は、外でも見られるようになった。
道行く車をじっと見る。
ただただ、見る。
話すことも無く、歩道にしゃがみこんでいる母子。
たくさん走っている道路を見よう。
走っている車を見るためだけに出かけたこともあった。
時にはパパに抱っこされながら。
時にはじぃちゃんを引き連れて。
時には夜のネオンの中で。
夏と秋の間を感じ、風の音を聞いた。

たくさんの場所で、たくさんの車を見た。
その車たちは、今もcacaoの中にいるだろうか。
あの頃のように、車を見ることはなくなったけれど。
今でも車が大好きなcacao。

ゆっくり流れるステキな時間をありがとう。

cacao:2歳頃

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