いつもと違う夜


予定日から9日過ぎていた。

いつものように、生まれる様子も無いまま、夕食。。。
《今日も平和に一日が過ぎたな・・・》
そんな中、いつも以上にくっついてくるcacao。
ニッコニコで甘えてくる。
「生まれる前兆を感じて甘えてくるならいいんだけどね」
冗談のつもりで言ったセリフだった。

いつものように、cacaoと布団にもぐりこむ。
今日に限って、ずいぶん感傷的な私。
小さくて静かな寝顔を見ていると、涙がこみあげてくる。
(こうしてシズと二人きりで寝られるのも、もうすぐ終わるんだな)
cacaoだけをみていてあげられる時間は、もう少ない。
弟ができれば、cacaoも苦労するだろう。
小さな弟にふりまわされて、cacaoの成長を今までみたいに見つめてあげられないだろう。
今までどうして、こんなシズとの時間を大切にしなかったんだろう。。。
シズと二人で眠ったこの夜のことを、忘れないでおこう。
心に固く固く誓った夜。

いつものように、夢も見た。
「まだ生まれないの」誰かに訴える夢だった。
訴えられた相手は、妙なことを言い出した。
「おなかの子に、こっちにはおいしいものが一杯あることを教えたら出てくるかも」
はぁ?????
しかもその相手、大きなおなかに向かって大きな声で叫んだ。

「おいしいものがあるから出ておいで〜〜〜〜〜〜!!!!!」

は!!!!!!

はらいたっっっっっ!!!!!!

夜明けとともに、陣痛のはじまり。


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